生産性が下がり、諸外国から遅れをとっている日本。
日本人の生産性の低下の原因のひとつとして
睡眠時間がとりあげられます。
ちなみに日本人の睡眠時間は
OECD加盟国30か国のうち
ワースト1位。
まず、日本人は睡眠に力を注ぐべきなんです。
なぜなら、睡眠をしっかりとることで
「頭がよくなる」
「メンタルが改善される」
「体力テストの成績が向上する」
などの論文や研究結果が多量にあるのです。
※睡眠の重要性については過去の記事で紹介しております。
ただ、なかなか睡眠時間を急に確保しろと言われても
家事に仕事に忙しく、なかなか確保できない人も多いはずです。
そんな人はまず睡眠の質を確保することをお勧めします。
逆にいくら睡眠時間が長くても睡眠の質が悪ければ、
しっかりと睡眠の恩恵を受け取ることはできません。
今回は朝、昼、夜と3つの時間帯に分けて
それぞれで良質な睡眠のためにとるべき行動について紹介します。
目次
朝の行動
一見、無関係に思える朝の行動が一番睡眠に影響を与えます。
なので、睡眠の改善に取り掛かる際には朝の行動から見直すことをおすすめします。
朝日を浴びる。
朝日を浴びることでセロトニンの分泌が促されます。
セロトニンとは良質な睡眠に欠かせないメラトニンの材料です。
なので、一見無関係と思われる朝日を浴びるという行為が夜の睡眠には何より重要なんです。
ちなみに昼の日光より朝日にこだわるのには理由があります。
セロトニンの分泌量が1番高まるのが日の出直後の日光を浴びたときだからです。
これは日の出直後の明るさと日光の角度が関係しています。
そして朝日を浴びると体内時計がリセットされます。
リセットされてから、14~16時間後にメラトニンの分泌が始まります。
なので、就寝時間から逆算して日光を浴びておくとタイミング良く眠気がくるようになります。
散歩・ランニング
前述したセロトニンですが、
散歩、ランニングのリズム運動でもセロトニンが分泌されます。
私の体感としてはランニングのほうが、
セロトニン分泌は多いんだろうなという実感です。
セロトニン分泌を感じるポイントは清々しい気分を味わうこと。
たとえば、朝の澄んだ空気を吸って気分がいいなとか。
そんな気分を味わえるとき。
この感覚こそ、セロトニンが分泌されている証拠です。
また、運動することでストレスが解消され、
またストレス耐性がつきます。
ストレスは快眠を阻害しますので、
ストレス対策として散歩、ランニングは
必ず行ったほうがよいでしょう。
運動の効果はまだあります。
それは成長ホルモンの分泌です。
子供の成長に欠かせない物質というイメージが強いですが、
大人になってからも身体の修復や疲労回復に欠かせません。
成長ホルモンは睡眠中で多量に分泌されます。
成長ホルモンがきちんと分泌されることで、
睡眠中で身体の疲労回復が十分に図ることができます。
良質な睡眠、睡眠の恩恵を受けるには散歩、ランニングの存在は欠かせないのです。
※過去の記事で運動のメリットについて紹介しております
朝食を摂る
咀嚼することでセロトニンが分泌され、
脳が覚醒されます。
また、食事を摂るとインスリンが分泌され、
身体が覚醒されます。
そのため、日中の覚醒度が高くなります。
日中の覚醒度が高ければ、夜の睡眠の質は高まります。
その点から朝食を取ることは非常に大切です。
特にオススメなのがバナナ。
セロトニンの原材料となるトリプトファン、
吸収率を上げるビタミンB6、糖質が全て含まれております。
時間のない朝でもバナナなら手軽に摂ることが出来るはずです。
日中の行動
お昼休憩や午後からの行動についてです。
2つの行動をおさえるだけなので、
シンプルで難易度は低いです。
昼寝をする
昼寝は通称パワーナップとも言われ、
グーグルなどの一流企業でも推奨されております。
なぜなら、寝不足を解消する効果はもちろん、
午後からの集中力アップの効果など、
さまざまなメリットがあるからです。
そして、昼寝をすると夜眠れなくなると誤解されがちですが、
むしろ寝付きをよくし、睡眠の質を高めることも明らかになっています。
なかなか寝付けないと心配するかたも大丈夫。
机に突っ伏して目を閉じるだけでも十分な効果が得られます。
逆に布団などで本格的に寝ると寝すぎてしまうのでオススメできません。
ちなみに適切な昼寝の時間は15分から30分。
注意すべきは30分以上の昼寝は、
対照的に午後のパフォーマンスの低下を招いたり、
認知症のリスクや癌など、
様々な病気にかかるリスクをあげてしまう悪影響が多くあります。
ついつい、気持ちよくて、たくさん寝てしまいたくなりますが、
そこはグッと堪えるようにしましょう。
カフェインの摂取は14時まで
日中の覚醒度を高め、パフォーマンス向上に一役買うのが
コーヒーやお茶に含まれるカフェイン。
なので、本来はオススメしたいところなのですが、
カフェインの分解には4~6時間かかるといわれています。
そのため、睡眠への影響を考えるとコーヒーは14時までとする最新研究があります。
夕方以降でどうしてもコーヒーを飲みたいならデカフェがオススメです。
夜の行動
睡眠のカギとなるのが入眠直後からの90分間。
通称、睡眠のゴールデンタイムといわれていて、
就寝前の2時間をどう過ごすかで、
この90分間の睡眠の質が激変してしまいます。
これから紹介する方法を交えて、
就寝前の2時間の行動をルーティン化してください。
それにより良質な睡眠を確保することが出来ます。
寝る90分前に入浴
深部体温と身体の表面の温度の差が少ないときに眠気が発生する。
そして、睡眠中の深部体温が低いほど睡眠の質が高まる。
つまり、深部体温を下げることが良質な睡眠に必要不可欠ということ。
そのために入浴が一役買ってくれます。
ゆっくり湯舟へつかり、深部体温を高めてあげる。
すると、人間の身体は体温を一定に保とうとする性質から
入浴後に必死に深部体温を下げようとします。
それにより、かえって入浴前より深部体温は下がります。
深部体温が低いと睡眠は深まり、質は高まります。
入浴自体にも疲労回復効果はありますが
シャワーで済ませずに湯舟につかることは
睡眠の観点からとても大切なのです。
適切な入浴時間は15分程度。
短い時間だと、しっかりと深部体温があがりません。
そして、もとの入浴前の深部体温から下回り始めるのが
90分を経過したあたり。
なので、寝る90分以上前に入浴を済ませておくことが大切です。
デジタルデバイスと距離をとる
デジタルデバイスから発するブルーライトで
メラトニンの生成が抑制されます。
これは昼間の光と脳が勘違いして起こる現象。
また、ブルーライトを感知すると2~3時間
メラトニン分泌のタイミングを遅らせます。
つまり、日中で一生懸命にメラトニンの材料である
セロトニン分泌を増やしても
きちんとメラトニンの生成が促されなければ
睡眠の質を上げることが難しくなってしまいます。
そして、これが驚きです。
なんと、昼夜問わずにスマホを触ること自体が
夜の睡眠を妨げになっているという研究データもあります。
そのほか、寝室にスマホがあるだけでも、無意識に気を取られ、
睡眠の質を下げてしまいます。
なので、アラームは目覚まし時計を使用し、
寝室以外の部屋でスマホを充電させるのが、
睡眠にとってはよい行動となります。
日記を書く
ストレス多く抱えたままでは良質な睡眠をとることはできません。。
簡単にストレス発生のメカニズムを説明しますと、
脳の偏桃体の活動が過剰だとストレスホルモンである
コルチゾールの分泌が促されます。
つまり、偏桃体がストレスの発生の中枢といってもいいでしょう。
このストレスの源ともいうべき偏桃体の興奮を簡単に抑える方法があります。
それは「字を書くこと」です。
書き出す行為そのものが脳の偏桃体という部位の興奮を抑える効果があります。
※「書くこと」のメリットについて紹介した記事はこちら
そして、特にオススメなのが日記。
今日起こった出来事を整理することもできて、
ストレスを減らすこともできる、
脳とメンタルをメンテナンスするには最適な方法です。
日記を書いて、一日を締めくくるのは、理にかなった行動といえるのです。
初めて取り組むときは無理に長々と書かず、1行でも良いです。
ストレス解消として即効性のあるものなのでぜひ試してみてください。
参考書籍
スタンフォード式 最高の睡眠
この本ではこれを
「睡眠のゴールデンタイム」
と名付けております。
これを軸に最高の睡眠を目指す
テクニック等が紹介されております。
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楽天から購入→スタンフォード式最高の睡眠 [ 西野精治 ]