ある日突然、原因不明の腹痛に襲われた——。検査を受けても「異常なし」。それでも続く不調に、不安と焦りを感じる人は少なくありません。
この記事では、筆者自身が過敏性腸症候群(IBS)の症状に悩み、克服までに実践してきたセルフケアの方法や体験談をまとめました。30〜40代の忙しい男性に向けて、実践的で再現可能なヒントをお届けします。
目次
■ 急な腹痛、そして異常なしの診断…
ある日の昼下がり、公園で家族と過ごしていた時、突然の腹痛と背部痛に襲われました。
しばらく安静にしていると一旦は痛みが引いたものの、夕食後に再び腹痛、そして夜間も痛みで眠れない事態に。
仕事を休んで病院を受診し、エコー・CT・胃カメラ・血液検査を実施。結果はすべて「異常なし」。
医師から告げられたのは、「ストレスが原因の可能性が高い」という言葉でした。
「癌じゃなかった」ことに安堵したものの、痛みの原因が不明のままという事実は、むしろ大きな不安につながりました。
■ たどり着いたのは「過敏性腸症候群(IBS)」の存在
自分なりに調べる中で、症状が**過敏性腸症候群(IBS)**に酷似していると気づきました。
-
症状:腹痛、下痢、便秘、ガス溜まり
-
原因:明確な疾患ではなく、ストレスや自律神経の乱れが引き金になるケースが多い
-
対策:薬だけでなく、生活習慣の改善が不可欠
「これだ!」と思った瞬間、自分の体調を信じて、生活を見直す覚悟ができました。
私が実践した5つのセルフケア
① 軽めの運動を継続
-
筋トレ・ランニングは一時中止
-
散歩など軽い運動は継続し、筋肉量の低下を防ぐ努力をしました
-
「動かない」ことで悪化すると感じたため、必要最小限の活動を心がける
② ヨガでガス溜まり・腹部不快感を改善
-
特に夜、仰向けで膝を抱えるポーズなどでガス抜き効果
-
ヨガは呼吸を整えることにもつながるため、心身の緊張緩和に効果的
③ 瞑想で自律神経を整える
-
【歩行瞑想】:ゆっくり歩き、足裏に意識を集中
-
【呼吸瞑想】:呼吸に意識を向けて、不安や痛みから意識をそらす
-
「また痛くなったらどうしよう」という不安を緩和
④ 日常で深い呼吸を意識する
-
胸いっぱいに吸い、ゆっくり吐く
-
ポイントは「吐く息を長くすること」
→ 副交感神経を優位にしてリラックス状態を作る
⑤ 「自分のストレス」に気づく努力
ある日、職場の先輩に言われた言葉が今も心に残っています。
「本当にストレスがある人は、自分ではそれに気づいていないことが多い」
当時の私は「大丈夫です」と言いながら、心も体もボロボロ。
今思えば、「ストレスケアをしているつもり」で、実際はまったく出来ていませんでした。
■ 30〜40代男性に多い?過敏性腸症候群の実態とは
日本消化器病学会の調査では、IBSは日本人の約10〜15%に見られるとされており、特に30〜40代の働き盛りの男性に多いと報告されています(※参考:日本消化器病学会ガイドライン2020年版)。
これはまさに、仕事や家庭のストレスが重なりやすい世代にとって、無視できない問題であることを示しています。
■ 最後に
ストレスの蓄積と向き合いながら、少しずつ体調が改善していった私。
完治には時間がかかりましたが、「自分の体に意識を向ける習慣」を手に入れたのは大きな収穫でした。
次回の記事では、「過敏性腸症候群と食事管理」について詳しく紹介します。