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樽前山へ。初心者にも優しいはずが…
週に一度のご褒美、トレイルラン。今回は念願だった 樽前山 に挑戦してきました。
普段は藻岩山ばかりだったので「たまには違う山を」と思い立ち、初心者向けで熊のリスクが比較的低い山をリサーチ。市内近郊の手稲山や三角山は意外と熊の出没情報が多く、少し遠いけれど樽前山を選びました。
出発は午前11時半。もっと早く出るつもりが、掃除・洗濯に追われて遅くなり…。真駒内方面から支笏湖温泉を経由し、樽前山七合目の駐車場へ向かいます。
道中から癒しの時間
支笏湖周辺は圧倒的な自然美。窓から見えるのは「山、山、湖、また山」。車内では夏うたを流し、軽快に運転。1時間半の道のりもストレスフリーでした。
七合目駐車場に到着すると、意外と空いていてラッキー。準備を整え、トイレを済ませ、いざ出発です。
樹林帯の静けさと滑る登山道
最初の樹林帯はよく整備されていて、木々の間をくぐるように進む道。まるで探検家になった気分です。
ただし、ここで一つ問題が…。
足場がぬかるんでいて、トレイルランシューズのグリップが効かない!滑らないよう慎重に歩くことにしました。結果的に、いつもより息が上がらず汗も少なめ。これはこれで良いかもしれません。
樹林帯を抜けた先に待っていたのは…
標高が上がると、視界が一気に開けます。木々がなくなり、風が肌を打つ開放感。ここまで登ってきた達成感とともに、視界に広がるはずの絶景…しかし、今日は違いました。
一面の濃霧。
どこを見ても真っ白。遠くの支笏湖も、青い空も、何一つ見えません。
「山頂に着く頃には晴れるかも…」と淡い期待を抱きつつ、一歩一歩進みます。
山頂近くになると登山者の姿も減り、代わりに吹き荒れる強風。服は湿気でぐっしょり。やっとの思いで山頂に着いたものの、周りは真っ白な世界。
本当は山頂でどら焼きとアイスコーヒーを楽しむ予定でしたが、このコンディションでは無理。やむなく休憩もせず周回コースへと歩き出します。
そして、あのシルエット
濃霧と強風で熊鈴の音もかき消されそうな登山道。
「こんな日は熊も見えにくいし、気づきにくいよな…」と考えていたその時。
500メートルほど先に、黒い大きな塊。
岩かと思いましたが、不自然な形。横向きに立ち、鼻を動かすシルエット。
熊だ。
心臓が跳ね上がる。視線は外さず、そっと後退り。幸い、熊はこちらに気づいていない様子。風に流される濃霧が、まるでカーテンのように私と熊を隔てています。
「今しかない」
そう判断し、静かに距離を取り、十分離れたところで一気にダッシュ。息を殺して樹林帯まで戻りました。
なんとも言えない帰路
無事に車へ戻った安堵感。しかし、靴を脱ぐと異臭が…。
裏を見て納得。
動物のフンがべったり。
最後までツイていない登山でしたが、靴を叩きつけて汚れを落とし、深呼吸。
「絶対にリベンジする。」
帰りの車内でそう強く誓いました。
初めての樽前山を振り返って
樽前山は初心者でも登れる整備された山道と、山頂からの絶景(本来なら)で有名です。ただし、天候と熊には十分注意が必要。今回は不運でしたが、次回は晴天の日を狙い、絶景とどら焼きを楽しみたいです。