抗生剤と腸内細菌の深い関係──「飲んだ後のケア」で未来の体が変わる

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抜歯後の痛みと抗生剤

抜歯をした日の夜。
痛み止めを飲んでもズキズキとした痛みが引かず、昨日・一昨日は何も手につきませんでした。

今日で丸3日。
なんとか痛み止めを飲みながら過ごしていますが、今回の体験であらためて「薬」との付き合い方について考えさせられました。

というのも、抜歯の際に感染予防のため**抗生剤(抗生物質)**を処方されたのですが──
できれば飲みたくなかったのです。

理由はひとつ。
抗生剤は「悪い菌」だけでなく、腸内の善玉菌までも殺してしまうからです。


抗生剤の役割と「使うべき時」

まず前提として、抗生剤は悪ではありません。
細菌による感染症(中耳炎・副鼻腔炎・肺炎・皮膚の化膿など)に対しては、命を救うほどの効果を発揮します。

ただし、ウイルス性の風邪やインフルエンザには効きません。
この点を誤解して「風邪だから抗生剤をもらっておこう」というのはNG。
医師が必要と判断した場合にだけ使うのが鉄則です。

私の場合は「抜歯後の感染予防」目的で3日分を服用。
短期間とはいえ、腸内細菌へのダメージは避けられません。


抗生剤の副作用──「下痢」の裏にあるもの

抗生剤を飲むと、多くの人が経験するのが下痢
実はこれ、薬が腸内の細菌バランスを壊したサインです。

腸内には約100兆個の細菌が存在し、「善玉菌・悪玉菌・日和見菌」がバランスを取りながら共存しています。
抗生剤はこのバランスを一気に崩すのです。

たとえば、抗生剤を服用すると3分の1ほどの腸内細菌が死滅すると言われています。
自然回復に任せた場合、元の状態に戻るまで約3ヶ月かかるとも。

つまり「抗生剤を飲み終えたら終わり」ではなく、
その後のケアこそが本当のスタートなのです。


腸内環境を立て直す3つの習慣

① 発酵食品を摂る

ヨーグルト・納豆・キムチなどの発酵食品は、腸に直接善玉菌を届ける働きがあります。
とくに乳酸菌やビフィズス菌は抗生剤で減った菌を補うのに効果的。

② 食物繊維を意識する

善玉菌のエサになるのが食物繊維。
野菜・海藻・きのこ類・オートミールなどを意識的に取りましょう。
「菌を入れて、エサを与える」のが腸活の基本です。

③ 運動で腸を動かす

ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は腸の蠕動運動を活発にします。
腸は“第2の脳”とも呼ばれる臓器。
メンタルや免疫力にも直結しているため、日常的に動かしておくことが重要です。


「整腸剤をもらったから安心」は早計

最近では抗生剤と一緒に整腸剤(ビオフェルミンなど)が処方されるケースもあります。
これは医療現場でも「腸への影響」が広く知られている証拠です。

ただし、整腸剤だけで完全に腸内環境を元に戻すのは難しい。
日々の食生活・運動・睡眠の積み重ねがあってこそ、腸は再び健康を取り戻します。


薬と上手につき合うために

この記事全体を通すと「抗生剤=悪」と思われてしまうかもしれません。
しかし、抗生剤は正しく使えば命を救う存在です。

大切なのは、「必要な時にだけ使い、その後のケアを怠らない」こと。
薬に頼ることを恥じる必要はありません。
むしろ、“薬のその先”を意識できるかどうかが健康の分かれ道です。


まとめ

  • 抗生剤は細菌感染症には有効だが、腸内の善玉菌も殺してしまう
  • 腸内環境の回復には約3ヶ月かかることもある
  • 抗生剤の後は発酵食品・食物繊維・運動で腸をケアする

薬は敵ではなく、「一時的なサポーター」です。
使い終えたあとのセルフケアこそが本番
今日からまた、腸をいたわる生活を始めましょう。

カムバック、腸内細菌。

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